ネットのうつ病関連サイトや、うつ病に関する書籍などを見ていると、
「うつ病の時には、重要な決断をしないようにしましょう」という文章を目にすることが多いですよね。
「物の見方が否定的になっているために生じているもので、本来の考え方ではない」とか「うつ病の人は思考の停滞と判断力の低下があるため」云々…とか言われています。
確かに、うつの時は考えるチカラも鈍ってますし、ナーバスですべてのものに対して否定的な面があることも否めません。
しかし、本音を言ってしまうと、個人的にこの考え方は「?」とも思うのです。
それは、私自身、うつ病真っただ中で「離婚」という決断をしたこととも繋がっています。
うつ病の根本的原因を振り返ってみる
うつ病の患者さんにとって、何より大切なのは “休養” です。
心と身体を休ませるためには、うつの原因となっている事柄や環境からできるだけ離れることも、治療の大きなポイントであるといえるでしょう。
そう考えた時、
もし、心の負担となっている原因が会社にあったならどうしますか?
夫婦の問題が起因しての事であったならどうしますか?
それでも退職や離婚といった大きな決断は先延ばしにするべきでしょうか?
“今、何によって今苦しんでいるのか?”
その元凶を見据えた上で、時には退職や離婚といった決断を下すことも必要となってくると思うのです。
ひとりだけでは決断しない
うつの時には考えるチカラが落ちているくせに、悲観的・否定的発想には頭が回ってしまうものです。ですから、たった一人で思い悩んでの独断行動や、突発的・衝動的行動は避けるべきだと言えるでしょう。
だからこそ、周囲の理解・協力してくれる人からの助言に耳を傾けることはとても大切です。
原因が突発的なものなのか、
長い年月を経て蓄積されたものなのか、
改善の余地はあるのかどうなのか、
本当の元凶は何なのか?
客観的な目で見た意見をもらうことも、重要なポイントとなります。
私の場合は、それまでの過程を顧みて、自分の親も、子供達も納得した上での離婚でした。
自分の気持ちと、周囲の考えやアドバイスを交え、その上で一番良いと思える判断が退職や離婚だったのであれば、それは決断に値する結果といえるのではないでしょうか。
自分にベストな決断なら後悔はしない
私自身、うつ病になり、別居を経てからの離婚という決断をしています。
「一緒に居たら治るものも治らない!」 そんな状態でした。
辛さが先立って、もしかしたら「死」を選んでた…なんてことだって、無きにしも非ずと思えるような状態だったと思います。
決断を引き延ばすことにより、うつ病患者さん自身の負担や苦しみが増すようでは本末転倒ですよね。
私は辛い状況下においても、医師や周囲の人々の意見を加味し、長き年月を振り返った上で自分なりに出した結論でしたので、後悔はしていません。
どんな状況にせよ、「こうしなげればならない」 という思い込みだけは捨てましょう。
心の病を改善することは、人生を改善することにもつながります。
時には思い切った選択をしなければならないこともある、という考えも、またアリなのではないでしょうか。